2022/06/01 11:40



僕の根底のアイデンティティは鞄づくりにある


実家のキャビネットは画材に溢れ、隣に住む祖父は金型職人だった


"てしごと"に囲まれた環境で育ってきたと今となって気づく。

絵を描くことは、いちばん身近な"てしごと"だった。



鞄作りはデザインを生み出し、型紙を切り、ミリ単位での縫製。一つ一つの作業に意味があり、その積み重ねでできている。すごく真面目な世界。


僕自身、鞄業界に入って、10年目になり、

これまで目の前の鞄作りにのめり込んでやってきた。


"ルール" "制約"のある鞄作りをしてきたからこそ、外への好奇心、探究心が突出。


キャンバスの前に立ち、心を空っぽにし、無計画、衝動的に筆を走らせる。

鞄作りではこのプロセスはできない。

必ず着地点を決め、逆算し、工程を踏むことが鞄作りには必要である。

革の前に立ち、いきなり包丁で裁断することはできない。

そのため、絵と鞄作りは正反対の位置にあるものだと捉えている。

ただ、鞄作りと絵、という表現はYUJI HORIIの中にあり、一体であるということ。


鞄作りでは満たすことのできない欲求をシーソーのようにバランスを取る。